2008年10月アーカイブ

先日からやたらと取り上げているブラザーズ・クエイ新作映画

「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」が封切りされた。

映画監督というより映像作家・映像芸術家といったほうがしっくりと来る

素晴らしい作品の出来映え。

前もって短編を12作品ほど観ていたのである程度の予想は出来ていたのだが、

軽々と私の想定を超えていってくれた。

実に美しく妄想的な悪夢とも呼べる映像的耽美世界を創造している。


ストーリーとしては非常に分かり易いので初めてご覧になる方でも楽しめる

のではないか。これは多分にプロデューサーであるテリー・ギリアムの影響

が良い方へ向いたに違いない。

暗く曖昧なフォーカス気味の映像は、個性が際だつ役者演ずる登場人物の

芝居をと相まって、観る者をその映像の中にずるずると引きずり込んで行く

ようだ。光の使い方や質感、或いは静寂のもたらすエロティシズム、そして

僅かに湿り気を感じさせ、時間の奥行きを表現する錆びた色合いの世界。

映画美術や衣装に、異常なまでの一方向的こだわりが産み出した作品と

言っても過言ではない。


映画のラスト、月食の夜に行われたオペラでの惨劇と、機会演奏人形に

変わり果てる……。おっと、これ以上書くと野暮ですな。

なんにせよ、この狂気と妄想が美しく凝縮された映像は一見の価値あり。

「裸のランチ」「キンザザ」「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」

「ブラジル」等の映画がお好きな方には是非見てもらいたい。

4-Dをお好きな方には意外と合うんじゃないかと勝手に思ってんですけど。

観た方は是非次回の4-Dのライブ時に私を見かけたら声かけてください。

感想を訊いてみたいですね。


冗談じゃなくイイゾ!

「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」 URLhttp://www.quay-piano.jp/


下北沢にて

Red

|

若い人ほどあの「豚の丸焼き」画像がダメなヒトが多いのは、

私の周りでも一緒ですね。

若い人に限らず食料として自分が何を食しているのか知らないヒトが

多すぎるんじゃないかと思います。

豚肉・牛肉・鶏肉・羊肉・魚肉・牡丹(イノシシ)に桜(馬肉)、兎肉に鯨肉…。

肉って普通に考えたら解るんですが、要は「死体」というか「屍肉」

ですからね。

牛乳やチーズなんて元は「血液」と一緒ですからね。

そう考えたら私達は生きていたものを屠殺して、喰ろうておるわけです。

他の生物とは違って声を持たないだけで、その悲鳴を聞くことはない

けれども、植物でさえその命を奪って胃の中に収めているわけです。

食物連鎖の頂点に立っているという自覚があれば、大食い競争なんて

愚の骨頂だと思うハズなんですが…。

ライオンは無駄なハンティングはしないんですからね。

他のものを抹殺して喰らってんですから、感謝の念を持ち有難く頂戴する

という概念を持つべきで、持たないのならゾンビと一緒、だと思う。


コンビニっていう大きな冷蔵庫に行けば何でも揃うし、金で食い物を手に

入れることが出来る。便利になるということは、手間暇省くと同時に

感謝するという気持ちも薄れるのかもしれません。


最近の中国餃子を農薬混入や牛乳のメラミン混入なんて、そういった

食品製造〜流通の盲点を突いた食品テロといっしょですもんね。

恐ろしい時代になりました。


特定のアレルゲンを持っているヒトは殆どの日本人が持っているらしく、

自覚症状が出てしまうヒトもいれば気付かないヒトもいる。個人差が

あるようです。鶏に与えている飼料の中に、なにか薬品が入ってる

可能性が強いですね。鳥インフルエンザのワクチンかもしれませんね、

そのレッドアラート。


昔、70年代キング・クリムゾンのアルバムで「Red」というのがあったけど、

ジャケ裏に印刷されたスピードメーターがレッドゾーンを指していました。

私達は後戻りの出来ないレッドゾーンに入ってしまったという警告だと

何かで読んだような…。


下北沢にて

月明かりと影 居待月の夜

|

その日は朝起きてからめまぐるしかった。友人と会ったり、本屋へ

行ったり、CDショップへ寄ったり、スーパーで買いだししたり、

クリーニング屋にシャツを出したり、部屋の掃除をしたり。

日も傾き「疲れた疲れた」とコーヒーで一服。寝ころんでいると、

ドアをノックする音がした。開けてみると誰もいない。ただ、影が

そこにあるだけだった。

「坂本宰の影」がお誘いに来てくれた。

その夜は三軒茶屋Rain on the Roofにて「月明かりと影 居待月の夜」

というライブが行われる夜だった。

出演は、LakesideとSakana、そして空間演出を手掛けるのが「坂本宰の影」。

慌てて着替えを済ませ。待っていてくれた「坂本宰の影」と下北沢から

茶沢通りを三軒茶屋に向かって歩く。

月明かりも美しく、歩くにはうってつけの夜だ。

20分ほどで三茶に着くとすぐにRain on the Roofへ。階段を上ると、

丁度ミュージシャン達のリハーサルが終了したばかりで、坂本宰氏が

機材の調整をしていた。

「やぁ、久しぶり。こないだの高円寺ありがとね。」と私がいうと、

「いやーどうもどうも…」などとご挨拶。気がつくと「坂本宰の影」は、

既に新月の形に形態変化している。

ライブが始まると新月から半月、半月から満月、そして煙となり、水の波紋

となる。とろりとした液体のような形態変化を施し、音が満たす空間を上から

下へ、右から左へと縦横にはいずり回る。

どうやら今回はヒト型では姿を現さないようだ。

心地良く流れる音楽とオーディエンスをまるごと懐に抱きかかえるような

「坂本宰の影」はライブ終了後何処ともなく掻き消えた。

私は翌朝が早いので挨拶もそこそこに帰路につく。

来た道を逆に三茶から下北へ。

空にはふくよかな月が煌々と輝いていた。

無口な「坂本宰の影」は、今頃月明かりで出来た何処かの闇の中で、

一杯やっているのだろう。


下北沢にて

ururun

|
ほー丸焼きですかぁ
美味しそうですね
終了したテレビ番組と、大好きなピーターグリーナウェイの「コックと泥棒…」と
ブリキの太鼓を思い出した。
夜警はあんまり面白くなかったけど…
「コック…」は、一番大事なラストシーンだし、ブリキの太鼓の牛の頭だったっけ?で
ウナギを捕獲する方法は、外国の捕獲技術なんだろうけれど
某AC.JP系では「キモイ」「吐きそう」の感想で終わってしまう。
まぁ、昼飯前にこれを見せるのは、カリキュラム上仕方ないと言えば
そういうことなんだけど
豚肉だって鶏肉だって、木にぶら下がってるとか思ってるんだろうね
そして何年も前に、かの筑波の翁が掲示板閉鎖を思い出す。
消費者団体様ご一行は、安全が完全に保証された安心パッケージを求める
あの頃のご一行様は、きっともう、自分が信じられないことは、人がなんと言おうが
動いちゃいけないって事は、とっくにわかってると思うけど。

某ブランドの卵は、何もデーター公開されてないけど
それを食った日は、頭が痒くなる
他のブランドの卵は問題なし
何が悪いのかわからないけれど、確信するにはちょっと時間かかったけど…
数日前の、某AC.JP系の若い人たちが案内してくれた
とっておきの中華料理屋の自慢メニュー「チャーシュー丼」
うまいけど、塩分過多と頭が痒くなった
もう二度と、あの店の卵料理は食べない

自分の「レッドアラート」ってのは、結構信じても良いんじゃないかなぁ

Metal Box綺麗ですね
僕のはもっと錆びついてますよ

これ買うときワクワクしましたねぇ
XTCはギターメインだったので、そんなに好きじゃないってか
むしろ嫌いな人たちでした(笑)



身辺整理〜Talking Heads

|

で、3枚目は「Talking Heads/Speaking in Tongues」。

トーキング・ヘッズといえばニューヨーク・パンクのバンドとして日本に紹介

されたのであるが、当初からパンクとは一線を引いた、

どちらかというとアートロック(あまりに古い表現なので流して下さい)を軸に

していたのではないか。例えば「サード・イヤー・バンド」等の流れを汲んで

いるように私には聞こえた。アレンジや音質は時代の流れを意識したパンク的

要素が当然のようにあったのだが、後の方向性を見る限りにおいて、パンクの

流れは単なる手段にしか過ぎない。このことからも「パンクは死んだ!」という

ジョン・ライドンの台詞は80年代の前半をしっかり掴んでいたことを目の当たり

にするようであった。

トーキング・ヘッズの核になる人物は、言わずとしれたデヴィッド・バーン(Vo,G)。

彼の指向性がこのバンドのベクトルを決定していたように思う。

その真骨頂はレコードジャケットのデザイン自体にもあからさまに表現されていた。

「モア・ソングス」では、デヴィッド・ホックニーの作品を彷彿とさせるインスタン

ト・カメラで撮ったグラフィック、ピーター・ガブリエルの作品と同様に、私がアフ

リカンリズムに傾倒していくきっかけとなった「Remain in Light」では当時まだ

主流ではなかったコンピュータグラフィックの手法を採り入れ、刺激的なジャケット

デザインに仕上げている。「Fear of Music」では、シンプルではあるが金属の質感

を紙ジャケに再現し、「Stop Making Sense」ではパフォーマーとしてのデヴィッド

・バーンを影使いとして見ることが出来る。

そして極めつけは、この「Speaking in Tongues」。

このデザインは今年の5月に逝去した芸術家ロバート・ラウシェンバーグ

(Robert Rauschenberg)の手に因るものである。

写真の下部にサインの部分を拡大しているので確かめて欲しい。

本体は透明なポリエチレン(だと思う。多分)。盤も透明でオペークインク或いは

シルクスクリーンで彼の作品をプリントし、重ね合わせることで情報のカオスを

産み出すデザイン。25年くらいは経っているので本体の透明素材が黄色く変色し

ているが、当時のレコードで個々まで行き着いたモノは皆無である。

はっきり言って多大な影響を受けているし、このデザインで人生そのものが少し

変わってしまった。大袈裟な話ではない、事実なのだから。

音の方の説明は面倒くさいので割愛するが、この初回限定のレコード盤を持てるだけで

幸せな気分なれた。絶世の美女と居るような感覚といった方が分かり易いかな。

で、お粗末ながら例の「Rekonnekted Extension Kit シリーズ」は4枚重ねると一つの

グラフィックが完成するという仕掛け。

ロバート・ラウシェンバーグに人生を狂わされ(笑、ジョークね)妄想にとりつかれた

スキソイドマンが此処にひとり。


下北沢にて

SiT 1.jpg

身辺整理〜P.I.L

|

2枚目は「Public Image Ltd(略称PiL)/Metal Box」。

言わずとしれた元セックス・ピストルズのヴォーカリスト・アジテーター、

ジョニー・ロットン(改めジョン・ライドン)がピストルズ解散後にポスト・

パンクを標榜しヴァージン・レコードから出した逸品である。

ジョン・ライドンの他、ベースにジャー・ウォブル、ギターにキース・レヴィン、

ドラムスにマーティン・アトキンスというメンツ。実験的且つエキセントリック

でソリッドな音塊を即興的ニュアンスも垣間見せつつ創り上げている。

脳天に響くマーティン・アトキンスのドラム。昆虫の羽音を増幅させ、その独特の

音を引っ掻き、切り刻むかのようなギタープレイで魅せるキース・レヴィン。

単純で淡泊極まりないフレーズを、極端に分厚く太くシーケンスさせるジャー・

ウォブル。そこに、イスラムの祈りのような、または浪曲のような、或いは第三

世界の祭典における呪術師の叫びに似た絶叫で詩を乗せて詠うジョン・ライドン。

この79年にヴァージン・レコードから出たセカンド「PiL/Metal Box」は、

当時、単純であったパンクの幻想を追い求めていたオーディエンスを完全に

裏切り、ジョン・ライドン曰く「パンクは死んだ!」という言葉をリアルに

感じさせた。

マーティン・アトキンスのドラム音質とキース・レヴィンのギターの乾き具合が

大好きだったのだが、当時20歳そこそこでベースを弾いてたりした私は、

ジャー・ウォブルがレコーディングでフェンダージャズベースのマーシャルから

出たナマ音とライン録りの音をミックスして分厚い壁のようになったベース音に

憧れた。

写真を見てもらえば一目瞭然であるがMetal Boxというだけあって、映画の

フィルム缶ような缶パッケージにLPサイズ45RPMの3枚組。

値段も当時¥6,800はしたんじゃないかと記憶する。

たしか、この缶パッケージは初回20,000枚だけ(枚数間違ってるかも)で、

当然、これの後に紙ジャケの33RPMも発売された。

レコードはLP33RPMよりLP45RPMの方が格段に音が良い。そのこだわり具合も

セックス・ピストルズのスタンスとは全く違う。

重くフリーキーで奔放な音楽が苦手な方には薦められないが、今現在聴いても

その鮮度は高い。

誰もが演奏できて唄えるロックではなく、このメンツでしか成し得なかった、

或いはこのメンツだからこそ出来た。という代物である。

一聴してみては如何か?でも苦情は受け付けませんので悪しからずご了承下さい。


下北沢にて

Metal Box1-2.JPG

身辺整理~XTC

|

先週の3連休、おっさんバレリーナのショックを引きずったまま、その日の

夜の便で神戸に帰った。

で、なんのために帰ったのか…という根本的な理由はさておき、

眠ったまま置いてある400枚ほどのLPレコード(塩化ビニールのヤツね)

と250冊ほどあった蔵書(主に文庫本・美術書・デザイン関連書籍)の始末を

してきたのである。

つまり処分の段取りをしてきたということですね。


レコードに関していうと、この5年間1枚もレコードに針を落とすことは無かったし、

ましてや3年以上前からDENONのパワーアンプからJBLのスピーカーと

いうシステムを結線していないので聴くことが出来ない状況であった。

で、この数年困ったか?というと全く困ることはなく、これからも針を落とすこと

などないだろうと考えた訳である。

4500曲にも及ぶ楽曲の内、自分にとって必要で重要な楽曲は頭の中に入って

いる。だって、十代の頃は徹底的に聴きまくったのであるから、老後の楽しみに

でもと思っていたがなんだか馬鹿らしくなった。本も同様である、昔の本を再度

読み返すということが自分にとって殆どない。美術書・写真集ならいくらかあるの

だが、それでもそういった書籍は限られている。


ただ、これらの音楽や文章は、明らかに現在の自分を作り上げてきた源と言

ってもおかしくないし、礎になっていることを年々日常的に実感するようになった。

だから、処分すると決めるまでの躊躇いは生半可ではなかったというのは

事実。だからほんの数冊の美術書を除いて殆どを処分することにきめたので

ある。


ただ、どうしても思い入れのあるレコードというものがある。

それを3枚だけ紹介しようと思う。


まず1枚目。写真の円形ジャケットは、「XTC/The Big Express」

XTCといえば私の大好きなアイリッシュ系スコッチの香りがプンプンするような、

口当たりなめらかで豊潤な音を気持ちよく聴かせてくれるアンディ・パートリッジ

率いる英国のバンド。

「The Big Express」は1曲目の乾いたギターカッティングとピアノが美しい

「Wake Up」から始まり、リアス式海岸の映像が頭を巡るような「All You Pretty Girls」、

ウエスタン調の味付けを施した変拍子の「Shake You Donkey Up」と

印象深い曲が続く。特に大好きな曲が「This World is Over」で聴けば聴くほど

味わい深い。名曲が集約された名盤である。確か、以前4-Dのミーティングで

XTCの話題になり、成田氏もXTCはよく聴いていたとか…そんな記憶がある。

演奏は鳥肌が立つくらい上手い。まん丸のジャケットもセンスいいしね。

機会があれば聴くことを猛烈にオススメしたい一枚である。


下北沢にて

The Big Express2s.jpg

アン・ドゥ・トロワ

|

ほんの数時間前、私は所用で渋谷の雑踏に居た。

宮益坂から緩やかな坂を下り渋谷駅へと向かって行くと

大音響で右翼の街宣車が「巨人の星」の主題歌を撒き散らしながら

青山通りの方へ流していく、昨夜ジャイアンツがリーグ優勝したから

かもしれないが、その大音量に眉をしかめつつ東急東横線とJRの改札

出口の方へ歩を進めた。

買い物客やカップル、親子連れ等、人でごった返すコンコースの中を

歩いているとなにやら摩訶不思議な出で立ちの人物が前方に現れる。

私はそれを見た途端、驚嘆し凍り付いた!


駅のコンコースに、バレリーナ…である。

駅のコンコースに、チュチュを纏い、フル完装したバレリーナ…である。

駅のコンコースに、白い角マスクをし、チュチュを纏い、フル完装した

         バレリーナ…である。

駅のコンコースに、おっさんの、白い角マスクをし、チュチュを纏い、

         フル完装したバレリーナ…である。


唖然として立ち竦んだ。当然である。多少露出の多い服装や奇抜なファッ

ションなどには、昔から免疫が形成されている故、ビジュアル系だろうが、

パンクであろうが、メタルであろうとも、はたまたゴスロリにおいてさえ、

もう一つ言えば、皇居のお堀を遊泳したスペインの白いアザラシであった

としても「可愛いファッションだね。」と余裕をぶちかます私ではあるが、

これは全く想定さえしていなかった。


既に50歳はとうに超えたおっさんの、白い角マスクをし、チュチュを

纏い、フル完装したバレリーナがコンコースを悠々と闊歩していたのである。

何か商品のキャンペーンか、或いは企業絡みのイベントという可能性も考慮

してみたが、近辺にそういった気配は皆無。

そして、もちろんトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団ではない。


明らかに個人的な趣味だろう。


これによく似た経験を2年ほど前に銀座の目抜き通りで見た、その時目に

したのは「なまはげ」だった。酔ってもいなければ、幻覚でもなく、はた

また夢遊病でもなく、ましてや怪しいキノコの類や危ないクスリをしている

ワケではない。

ほんとに見たんだよ。しかも真っ昼間に!!

スペインのアザラシが何処で泳ごうが知ったことではないが、おっさんの、

白い角マスクをし、チュチュを纏い、フル完装したバレリーナ…となると話が

違う。ガン見してしまった私は無神論者であるが、こんな時に限って神や仏に

呪いの言葉を投げつける。

「アン・ドゥ・トロワ!!!」


下北沢にて

豚の丸焼き

|

先日、小雨が降る日曜日。下北沢にある馴染みのBarで

昼過ぎからミニイベントがあり、お誘いを受けた。

イベント内容は、三線で奏でられる沖縄民謡を聴きながら、

豚の丸焼きを食べつつ泡盛をあおる…というもので、

店のマスターが予想していた倍の客が集まった。

当然料金は派生するのであるが、普段の夜は洗練された

内装の、下北にしては敷居の高いイメージの店なので、

訪れる客層というのは限定されている。

早い話、しっかりした大人でないと入り辛い、ガキンチョにゃ

ちょっと抵抗のある店構え。

なので、店主も30〜40人来れば大成功!って感じだったのが、

蓋を開けてみると倍の集客。後で訊くと「常連さんとまったり

呑むつもりが忙しすぎて何が何だか…。来たお客さんの30%は

知らない人だし…。」ということだったらしい。

3月の「晴れ豆」でのライブにもマスターは見に来てくれた

のでそのお礼ということで参加したんですが、私も顔見知りは

3人くらいしか居なかったし。

まぁそれはそれとして、豚の丸焼き。初めて見ました。

業務用の大型オーブンで調理したということだったが、

こういうの初めて食べましたよ。旨かった。

コラーゲンたっぷりの皮もぱりぱりで良い食感。

女性にオススメ。といっても、個人で調達出来るモのではなし、

日常的に無いもんね。こういうの。

ということで、気持ち悪がらずに見てください。


下北沢にて

子豚の丸焼き.JPG

ブラザーズ・クエイの幻想博物館③

|

何故3度に渡ってブラザーズ・クエイのネタをするのだ、…と

思う向きも多いでしょうが、理由は簡単!私が大好きだから。

1970年代に流れていたインディペンデントな香りを思い出させ。

凝りに凝りまくった手作り感溢れる映像と音楽は、オンリーワンで

しか創り出し得ない濃密な芸術としての世界観を、微塵もぶれる

ことなく練り上げられている。もう、まっしぐらである。

金額的にもワンプログラム¥1,500とリーズナブルだし、仕事帰りに

寄ってみては如何かと。

私もそうなんだけど、ネットに費やす時間が長くなって情報のやり

とりとしては非常に便利なんだけども、ネットの中に心を奮わせたり

響いてきたりする事象って皆目見当たらない。私にとって単に情報を

拾い上げるための環境ツールでしかない。

よく、ネットの中にバーチャルな世界が広がっているという人がいるが、

?である。

ネットを離れた現実が濃密でネットの中は希薄だとか、はたまた

その逆だとか、それは個人によって指向性の個体差があるだけで、

俯瞰してみるとどっちも同じ重力に縛られた地平線の中にあるという

ことに気付く。

どっちも同じだということに気付いた人は、ケータイでさえ失っても

どうってことはない。

やはり、ブラザーズ・クエイは、ざらついたフィルムの質感がよく似合う。

この質感はDVDやデジタルハイビジョンでは味わえない。

ハリウッドやディズニーの映画とは、その在りよう自体が違うのだ。

徹底的に絞り込んだ芸術性は、観る者を限定してしまう危うさを内包し

エッジの切れ味を美味にする。

だからこそ、少しでも興味のある方には出向いてもらって観てほしいなと

思うのである。

蛇足だが、4分の1世紀前に4-Dに関わり始めた頃、この映像の中に閉じ

こめられた空気感ってのが周りにあったような気がするんだよな。

懐古趣味じゃなくてね。


「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」公開記念 

クエイ映画祭「〜ブラザーズ・クエイの幻想博物館〜」

場所:シアター・イメージ・フォーラム

監督:ブラザーズ・クエイ

イベントURLhttp://www.ukjapan2008.jp/events/20081004_100379j.html

新作映画のURLhttp://www.quay-piano.jp/


下北沢にて

ブラザーズ・クエイの幻想博物館②

|

下記のURLを覗いてもらえれば解るんですが今上映されている

プログラムを載せておきます。

タイトルだけみても面白い。


プログラムA <アルケミストたちの形而上的遊び部屋>

「ストラヴィンスキー:パリでの日々」

「レオシュ・ヤナーチェク」

「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」


プログラムB <書物のカフカ的迷宮>

「ギルガメッシュ/小さなほうき」

「失われた解剖模型のリハーサル」

「櫛」

「スティル・ナハト3」

「ストリート・オブ・クロコダイル」


プログラムC <夢遊病者のための回廊>

「人工の夜景」

「アナモルフォーシス」

「ファントム・ミュージアム」

「イン・アブセンティア」


プログラムD <執事養成室>

「ペンヤメンタ学院」


プログラムE <ダンスマカブル劇場>

「デュエット」

「サンドマン」

「ソングス・フォー・デッド・チルドレン」


ねっ!面白いでしょ?何か惹かれません?決してマキシマムな評価を

得ることは叶わぬブラザーズ・クエイですが、ダークで幻惑的な粗い映像、

パフォーマンス、ダンス、暗黒舞踏、抽象、シュールレアリズム、

ヨーロッパ的ダダイズム、ドイツ表現主義……なんてのがお好みの

あなたにはうってつけかも。


「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」公開記念 

クエイ映画祭「〜ブラザーズ・クエイの幻想博物館〜」

場所:シアター・イメージ・フォーラム

監督:ブラザーズ・クエイ

イベントURLhttp://www.ukjapan2008.jp/events/20081004_100379j.html

新作映画のURLhttp://www.quay-piano.jp/


下北沢にて

ブラザーズ・クエイの幻想博物館①

|

ブラザーズ・クエイの新作公開記念、クエイ映画祭「ブラザーズ・

クエイの幻想博物館」を観に行ってきた。

チケットを購入して一服しながらケータイを見ると成田氏からメールが

入っていた。

渋谷の宮益坂を登り、246を渡ってシアター・イメージ・フォーラムへ

チケットを買いに行く途中、現在プロデュース中のバンドのリハーサル

に付き合うため、バスに乗っていた成田氏に目撃されたらしい。

東京って狭いね。


ここでこんな風にタイトル付けてるってことは、まぁ、当然オススメ

したいがためであって、下記のURLで内容を確認してもらえればよい

のであるが、兎にも角にも私好みの映画であり、映像的に非常に美しく、

また、神秘的なムード満点の映像である。

例えば、チェコの人形(パペット)アニメ作家ヤン・シュヴァンクマイヤー

からの影響下にあるダークなコマ撮りアニメ、光と影をものの見事に

コントロールしたスタジオ作品。大道具やセットがシュールで一切言葉が

存在しないモダンバレエのダンサーを演者に据えた映像……等が本日観た

CとEのプログラム。

近日中にAとBのプログラムも観に行く予定である。Dプログラムは時間

的に行けないかもしれない。


実はこの映画を観にいくことにしたのは友人からのメールがきっかけ。

多分私好みだろうということで進めてくれたのである。

今日観たプログラムには無かったのであるが、何年も前にNHK衛生放送

で「ストリート・オブ・クロコダイル」は観たことがある。その時は目が

TVに釘付けになった記憶があり、今日もしっかりと嵌ってしまったという

次第である。

粗めのぼやけた映像、コントラストの強さ、音楽の素晴らしさ、言葉と

いうコミュニケーションを使用しないフィジカル(この場合、人形も含む)

な表現、デ・キリコに通じるかのような空間、アンティークでレトロな

1900年代前半のイメージ、人体解剖模型、錆びて薄汚れた人形、シンプル

で且つ細部にわたる絵画的映像処理……。どれをとっても見事で美しい。

安っぽく言ってしまえば、耽美的(ちょっと違うんだけど)でエキセントリッ

クなアート感溢れる作品。←ほんと安っぽい表現になってしまった。

また近日中に、気が向いたら続報打ちます。

イイゾ!


「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」公開記念 

クエイ映画祭「〜ブラザーズ・クエイの幻想博物館〜」

場所:シアター・イメージ・フォーラム

監督:ブラザーズ・クエイ

イベントURLhttp://www.ukjapan2008.jp/events/20081004_100379j.html

新作映画のURLhttp://www.quay-piano.jp/


下北沢にて

明日の入場に関して

|

Multiple Konnektion Vol.1、いよいよ明日に迫ってまいりました。

当日はかなりの混雑が予想されますので、入場を迅速に行なう策として、整理券の引き換え作業を行なうことになりました。

つまり、事前に精算をすませてしまおうということです。

17時より会場入口にて整理番号とチケットの引き換え作業を開始いたしますので、事前に登録いただいた整理番号とお名前を申請のうえ、前売料金+ドリンク代をお支払いいただき、チケットと引き換えを行なってください。

この引き換え作業は17時より18時30分まで行ないますが、当日の状況で時間は多少前後する可能性がございます。ご了承ください。

もし開場前にいらっしゃることが可能なかたは、入場を迅速に行なうためにも、この精算システムにご協力していただけると助かります。

なお、18時30分以降に会場にいらっしゃるかたは、整理番号順に入場する際、精算となります。

何か不明点がございましたら、高円寺HIGH(03-5378-0382)までお問い合わせください。

当日は会場スタッフの指示に従い、混乱のないようご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

このアーカイブについて

このページには、2008年10月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年9月です。

次のアーカイブは2008年11月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01