ブラザーズ・クエイの幻想博物館③
何故3度に渡ってブラザーズ・クエイのネタをするのだ、…と
思う向きも多いでしょうが、理由は簡単!私が大好きだから。
1970年代に流れていたインディペンデントな香りを思い出させ。
凝りに凝りまくった手作り感溢れる映像と音楽は、オンリーワンで
しか創り出し得ない濃密な芸術としての世界観を、微塵もぶれる
ことなく練り上げられている。もう、まっしぐらである。
金額的にもワンプログラム¥1,500とリーズナブルだし、仕事帰りに
寄ってみては如何かと。
私もそうなんだけど、ネットに費やす時間が長くなって情報のやり
とりとしては非常に便利なんだけども、ネットの中に心を奮わせたり
響いてきたりする事象って皆目見当たらない。私にとって単に情報を
拾い上げるための環境ツールでしかない。
よく、ネットの中にバーチャルな世界が広がっているという人がいるが、
?である。
ネットを離れた現実が濃密でネットの中は希薄だとか、はたまた
その逆だとか、それは個人によって指向性の個体差があるだけで、
俯瞰してみるとどっちも同じ重力に縛られた地平線の中にあるという
ことに気付く。
どっちも同じだということに気付いた人は、ケータイでさえ失っても
どうってことはない。
やはり、ブラザーズ・クエイは、ざらついたフィルムの質感がよく似合う。
この質感はDVDやデジタルハイビジョンでは味わえない。
ハリウッドやディズニーの映画とは、その在りよう自体が違うのだ。
徹底的に絞り込んだ芸術性は、観る者を限定してしまう危うさを内包し
エッジの切れ味を美味にする。
だからこそ、少しでも興味のある方には出向いてもらって観てほしいなと
思うのである。
蛇足だが、4分の1世紀前に4-Dに関わり始めた頃、この映像の中に閉じ
こめられた空気感ってのが周りにあったような気がするんだよな。
懐古趣味じゃなくてね。
「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」公開記念
クエイ映画祭「〜ブラザーズ・クエイの幻想博物館〜」
場所:シアター・イメージ・フォーラム
監督:ブラザーズ・クエイ
イベントURL:http://www.ukjapan2008.jp/events/20081004_100379j.html
新作映画のURL:http://www.quay-piano.jp/
下北沢にて