平行世界の音楽
私の愛機Mac(Power Book G4)には、「DENKMAL」になることの
なかった音源が多数存在している。
それらmode1のアルバムに納められなかった音源が次々と送られてきた折、
それを聴きながらデザインを練り上げていた時にふと思ったのであるが、
この音源達は平行世界(パラレルワールド)に存在する、他の人に聴かれる
ことはない音楽なのだと考えが行き着いた。
タイトルが同じなのに、曲のニュアンスが大きく違ったり、全体の構成は
かなり近いのにタイトルが違ってたりとか、同じ曲であるにも拘わらず、
あの音は入っているのにいつの間にか消えてしまった音があったりとか…。
バージョン違いというモノではなく、明らかに違う作品群として20数曲が
同時に存在している。
この曲達は私のMacとi-Podに納められてそこから旅立つことはない。
役得といわれればそれまでなのであるが、「DENKMAL」のために拵えた
楽曲は、「DENKMAL」のために、更にあつらえられ、全く想像だにしな
かった方向へと進む。
最早「うた」ではない。
そう、敢えていうならば、大人の音楽に成ったのである。
私達がアルバムとして耳にするのは、大人の冒険が音に変化したものなのだ
と感じる。
そして、その更なる深淵の奥底を観たくなったのは言うまでもないことだろう。
下北沢にて