INCEPTION

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「ダークナイト」「メメント」のクリストファー・ノーラン監督作品

「INCEPTION」を観た。レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙が競演で話題

の作品だが、この映画のというより、この監督の凄いところは、脚本が練り

に練られているところにある。

インターネットの世界観が支配する「攻殻機動隊」シリーズや、現実と夢が

裏返っている世界観の「マトリックス」シリーズとは一線を画す。


他者の夢の中に入ってアイディアを植え込み(INCEPTION)、それがその

個人の中で芽吹き、誘導していくプロフェッショナルな犯罪者の話であ

るが、映画としての構造が非常に美しく組み上がっているのである。

睡眠に入っているとき、誰でも夢を見ているのであるが、夢の中で更に

夢を見るという2重構造を経験したことがある人も少なからずいるはずだ。

私もいまでこそあまり無いのであるが、ある時期夢から覚めたら夢だった、

ってことがよくあった。怖い夢を何度も見たりすると、やはりだんだんと

慣れてきて、「あぁ、またあれか」ってなもんで、夢の中身を自分で改竄

したり、おきまりのストーリーを変えて見せたり出来るようになる。

つまり、都合よくコントロール出来るのである。


映画はある人物の、夢の中の、夢の中の、そのまた夢の世界(3階層)に

まで潜り込んでいくのであるが、これは完全なるパラレルワールド(平行世界)

の物語となっている。

同時進行で三世界の時間の流れが淀みなく描かれミッションが進められ、潜り

込んだ個人の夢の中で、それぞれ異なる時間軸をとっているのがアイディアと

して秀逸である。

このストーリーには、仕掛けがあって(と私は勝手に理解しているのであるが)、

実は、3階層のパラレルワールドではなく、4階層、イヤ、5階層の夢の平行

世界を描いているのではないかと私は践んでいる。詳しく知りたければ映画を

観て戴きたい。


「INCEPTION」はアメリカでは当たらないのではないか?この意味合いを理解

できるのはなかなか難しいように思う。また、女性受けもしないのではないかと

危惧している。

しかし、謙さん出ずっぱりだし普通にハリウッドの俳優だもんね。凄いね。

それにディカプリオは良い役者になったなぁ。


下北沢にて

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このページは、press_4dmode1が2010年8月29日 22:29に書いたブログ記事です。

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