電子BOOK

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i-Padに代表される書籍を読むことを意識したネット端末が話題に

なっている。

古い作家だか、文学者だかがこのことを憂いて、所謂書物の活字文化

が衰退していくのではないか?つまり、書き手はアマチュアに近付き、

読み手は冒険心を失っていく…とどのつまり、書物を所蔵し、読み、

知識へ返還させる作業を人はしなくなるのではないか?

もっとはっきり言えば印刷物としてのホンが売れなくなれば、おまんま

の食い上げだ!って憂いているわけである。

”なにをかをいわんや”である。

既に20年も前にデザインやグラフィック、写真など、デジタル化の波の

中で自己が変化することを強いられ、表現の手法すら変容して広く市井に

下りていった。音楽や映像、アートでさえ既にデジタル化することによっ

て広く、また、自由に、多くの人に受け入れられている。

これらは、特に選定された特殊技能・特化才能を持った、僅かな個人の

モノではないということを如実に知らしめしている。


このことから振り返ると、書籍の電子化というのは”最後の砦”ではなく、

一番進化が遅れている分野にしか過ぎない。前にも書いたが書籍が雑誌を

中心に売れなくなってきているのは必然であり、その一番大きな原因は

情報の伝達速度が遅すぎるということに他ならない。


確かに紙の手触りや質感、匂いなど、捨てがたい本独特の特質があるに

せよ、単に情報としての機能しか果たせないのであれば、逆に圧倒的な

情報洋の中に埋没してしまう方が無駄な資源を使わなくて済む。

情報として屹立させ、エッジを起てたいのであれば、そのクオリティが

否応なく問われ、晒される世界に既にあるということだ。

いずれにせよ、買うか買わないか、読むか読まないかは、エンドユーザー

が選択するのであって、既得権益を貪るだけの老人には空恐ろしい世界に

なってしまったのだろうと思う。


かく言う私も年間30冊ほど本を読んでいる。紙の本が良いのなら、それを

選ぶ人間もいるということだ。

要はクオリティなんだと思うが…どうだろう?


下北沢にて

このブログ記事について

このページは、press_4dmode1が2010年5月21日 23:35に書いたブログ記事です。

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