巨木倒れる
昨晩、深夜、霧雨の中、突然前触れもなく巨木が倒れた。
朝、仕事に出かける前に撮った写真がそれだ。ケータイで
撮った写真には写ってないが、朝の7時半だというのに、
若い警官と市の職員らしき方がテープを貼って通せんぼしていた。
自転車と見比べれば判るが大の大人で二抱えはあろうかという
大木だ。我が家のマンションから40m程の距離で、…まさかね。
驚いた。
しかし、これに呼応したかのようにエンターテイメントの巨木も
他界された。
いや、ロニー・ジェイムス・ディオじゃないよ。
もちろん、スリップノットのベーシストでもない。
「こんばんは、ラッシャー木村です。」
この、あまりに有名な台詞を世に放った人物。
プロレスラー「ラッシャー木村」が逝去された。
断っておくが、私はプロレスが好きなわけでもなく、幼少の頃、
アニメのタイガーマスクに感化されてアクロバティックな
ルチャ・リブレに少しだけ興味を惹かれた程度だ。
たまたま、理由もなくTVのチャンネルを回していたら、偶然、
この映像場面に出くわした。リアルタイムではなく、何の番組の
記録映像だったかも覚えてないが、この台詞の前後を見てみると、
ラッシャー木村という人物の、朴訥とした、飾り気もなく、
生真面目で少し照れてしまうような、気の良い「おじさん」
が何故か好きになってしまった。
この台詞は多くのお笑い芸人達やタレントによって、星の数ほどの
亜流パターンを、素人レベルにまで流布した。これだけでも普通に
考えてみると凄いことなのである。
クドクド書いても伝わらないので、説明しないが、この台詞の面白さ
・価値を知らない10代20代は、人生の15%は損をしていると思う。
お笑い芸人では本質的に出来ない、素晴らしいキラーワード。
それこそ一言である。
この週末は、
「こんばんは、ラッシャー木村です。」
幸せの呪文かもしれない、この、あまりに有名な台詞を世に放った
人物を偲びつつ、グラスを傾けながら冥福を祈りたいと思う。
下北沢にて