登山家
年末が近づいて来ているというのに、仕事柄頭の中は春から
初夏の事を考えている。
半年近く頭の中がスリップしてかれこれ28年。因果な商売だ。
12月に入ってからというもの、週末毎にあちらこちらで酒宴の
お誘いをしたりされたりで、こないだの金曜日は仲間と楽しんだり、
土曜日は知り合いのBarの14周年ということで常連達で盛り上がった。
また何処からか、
お前は何かにかこつけて酒ばかり喰らっておるのではないか!
という、その行為の真実や本質をわきまえない、或いは、その行為の
高尚な目的が何を目指しているのかを知り得ない、そこはかとなく
イノセントな罵声が耳の後から聞こえてくるのは…気のせいだろう。
全て、クリエイティヴの為に行っているのである。
登山家は言った。
「そこに目指すべき頂上があるから山を登るのだ」と。
そこで私も言う。
「そこに呑むべき人と酒とタバコとBarがあるから呑んでいるのだ」と。
何かちゃう?まぁそんなこたぁどうでもいい。
兎にも角にも、自らの時間と肉体を酷使し、勤労によって幾ばくかの
所得を得た中から日本国の為に他人よりも多くの税を納めているので
あるからして、何ら恥じることはない!断言する。
呑ませろ!ってなもんである。
というようなことを呑んでいて周りと盛り上がっていたら、常連の
ウワバミ小娘に「うわぁ、その屁理屈オッさんくさい!」と一笑に付
された。
そこで私は
「コーラばっかり呑んでるてめぇなんぞに言われてたまるかい!高尾山
にでも登って出直してきな!」と心の中で左手の中指を立てた。
もうすぐクリスマスである。
下北沢にて