DARK KNIGHT

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映画を観た。「DARK KNIGHT」である。


今年に入ってから観た映画では、何れも邦画の「少林少女」「隠し砦の三

悪人」「アフタースクール」を劇場まで足を運んで観たのであるが、

「アフタースクール」以外は観るべきモノは何もなかった。

「少林少女」は単なる超駄作。

「隠し砦の三悪人」は黒沢のリメイクであったので僅かな期待を持って

いたのであるが、見事に裏切られた。松潤の髭面は全く似合っていない。

宮川だいすけ以外はパーフェクトにミスキャスト。まるで☆のジャパンである。


ここ数年洋画、特にハリウッドモノが愕くほどつまらない無駄遣いであ

るのに較べ、邦画は低予算でそこそこ脚本が面白いもが多かった。

「キサラギ」しかり「舞妓HAAAAN!」しかり「アフタースクール」しかり。

この三作品は日本ならではの面白い着眼点によって脚本が書かれており、

どたばた要素もふんだんに採り入れ飽きさせない。


「DARK KNIGHT」といえばバットマンの映画……かというと、そうでは

なかった。前作「BATMAN BEGINS」の最後のシーンで1枚のトランプが

ゲイリー・オールドマン(この俳優はお気に入り、彼が出ているから観よ

うという気になった)からBATMANに提示されるのだが、そのカードは

「JOKER」。つまり、「DARK KNIGHT」のストーリー軸であり、BAT

MANに対極するもう一人の裏主人公「JOKER」の映画だと言っても過言

ではない。


最初から最後までヒース・レジャー演じるJOKERのミッションにBATMAN

も含め全ての登場人物は翻弄され、蹂躙され、どん底へ叩き落とされる。

JOKERは正義だろうがヒーローだろうが悪徳であろうがギャングだろうが、

全てを敵に回し、懐柔し、洗脳していく。

悪人達でさえJOKERを忌み嫌い怖れおののくか、或いは教祖の様に心酔し

崇めるかの選択肢しか残されない。正義や大儀も見事に悪と憎しみに貶め、

ヒーローはヒーローの座を剥奪される。

おまけに、隠しキャラ「トゥーフェイス」まで、JOKERが……。

あっ、トゥーフェイスって前のシリーズじゃ「MIB」やBossのCMでお馴

染みのトミー・リー・ジョーンズが演ってたキャラクターね。

おっとっと、まだ見てない方がいるかもしれないので。


今までのBATMANものとは明らかに中身が違う。

「SEVEN」或いは「羊たちの沈黙」等に近いテイストが備わった映画。

数年降りにハリウッドの底力を見たように思う。

日本の映画の焼き直しや、日本マンガの原作の実写化ぐらいしかできんのか!

と思っておったのですが、きちんとシナリオ出来るんですね。

ストーリーテラーがまだ生き残っていたんだねぇ。

それにしてもヒース・レジャー演じるJOKERは、私にとって理想的なヒール

(悪役)。痺れるほどカッコイイ!

オススメです。


でも一緒に観に行った家人は「つまんなかった」と切って捨てましたが…。


続編が楽しみになったハリウッド映画なんてもう10数年無いように思う。

けど、残念なことにヒース・レジャーはもうこの世を去ったし、JOKERは次

誰が演るんでしょうね〜?

やっぱ、ジョニー・デップかな?


下北沢にて

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このページは、press_4dmode1が2008年9月 4日 23:20に書いたブログ記事です。

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