Elementsライヴレポート2
最初の試みは、題して「クラスター」。
個々のオーディエンスが頭の中で想像した声を出してもらうことが
横川講師より提案されました。ただし、声を出している時に他の人
の出した声にあわせないのがルール。つまり、ハモらないバラバラ
の声のかたまり(クラスター)を形成してもらい、それを音素材と
して取り込んでいくというものでした。
声のクラスターとアンビエントロニカな電子音響工作とアブストラ
クトな映像のセッションですね。
現代音楽やエレクトロニカ畑の人たちがやるとシリアス一辺倒にな
ってしまいがちなところを最後はユーモラスにしめた点もナイス。
いい感じに客席の緊張もほどけてきたところで、講義2限目(2曲目)
は横川氏いわく「早い話がジョン・ケージ」。1分の間に好きなタイ
ミングで各自が1回だけ好きな音を出す、というものでした。
ストップウォッチを持った横川氏の合図のもとに、声、物音、携帯
電話の撮影音など、客席から発せられたさまざまな音を録音。それら
の音が複雑にコラージュされて変容していき、インダストリアル・
ブレイクビーツなエレクトロニカ・サウンドを形成していく展開は
あたかも電子音楽の歴史(ミュージック・コンクレートからエレクト
ロニカまで)を猛スピードで見ているかのようで、スリリングきわま
りないものでした。