Exhibition Kit:000
4-Dレーベルから派生した新ブランド:Multiple Konnektionレーベル
の試験的作品としてエキジビション・キット000をリリースした。
これは「4-D Sight Code〜視覚暗号・4-Dとその周辺〜」で展示した
作品のビジュアルミニブック(24ページ、フルカラー)に、インスタレー
ション用の音源を付属したものである。先日の作品展で、既にご購入
して戴いた方もおられ、誠に有難いことである。
ビジュアルミニブックは、この3年間に撮り貯めた1000枚あまりの
画像に加え若干の動画とCG・グラフィック作品の中から、削りに削って
選りすぐったものをチョイスしている。インスタレーションで投影した
映像もまた然りである。
基本的には、個人的な作品というより、4-Dというユニットとして呼応
したからこそ創り得たビジュアルである。自身の中のクリエイティブを
4-Dというユニットをフィルターにし、mode1の音楽にインスパイア
されて産み出したと言ったほうが、自分としてはしっくりくる。
4-Dと再び出会うことが無ければ、間違いなく作ってはいない作品である。
そういった意味において、このことによって全てを吐きだし空っぽに
なった私にとっては、貴重な3年間の集大成なのかもしれない。
しかし不思議なもので、空っぽになったらなったで、自分の中の獰猛で
暴力的な創造性が更に次の何かを求めているのが実によく認識できる。
作品を作っている時は、自分であって自分でない。それを自らで制御する
のが非常に難しい。何故か?というと、下手をすれば日常から乖離して
しまい、幽体離脱したかのように思えるからである。
HP上でも告知を載せ、何か引っかかっている方もいるかもしれないので、
簡単に解説というか説明?をしておきたい。
何の説明かって?…もちろんMorrison Aなる人物についてである。
今回のExhibition Kit:000に快く音源を提供して戴いた彼のことで、
幾つかの憶測と情報が流れたようであるが、Morrison Aはmode1の
3人の誰でも無いし、もちろん私でもない。
4-Dについて詳しい方ならご存じかもしれないが、かつて4-D mode2に
参加してくれた"周明"なる電子音楽家がいた。その周明氏の友人である。
昨年の『Rekonnekted』発売直後、丁度来日中の周明氏から紹介され、
東京でお会いする機会があり、意気投合。
今回Multiple Konnektionレーベルの立ち上げとインスタレーションを
行う作品展も催すということで、ラテン系のノリで参加する事を快諾して
戴いたというワケだ。以前京都に住まわれていたこともあり、日本語も
堪能である。現在の拠点は周明氏と同じく、イタリアはミラノで教鞭を
執っているそうだ。
Multiple Konnektionレーベルではどんなものが出てくるか?私も予測
できない。001が誰かの手によって産み出されるのをしばらくの間待って
いて欲しい。
下北沢にて
Exhibition Kit:000