Theo Jansen〜砂浜の生命体

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今日は初夏と思えるほどの陽気・快晴。

冬の装いで街中は歩けない。ということで、

Theo Jansen(テオ・ヤンセン)展 〜新しい命の形〜 を見に

日比谷パティオまで行ってきた。


物理学を学んだ芸術家Theo Jansenは、プラスティックチューブや

ペットボトル、ゴム、板材等の廃材を作品材料として使用し、その

作品たるや自然の風力に因って自走するという、前代未聞の現代芸

術家である。

最近TVにも良く取り上げられ、彼の巨大作品が人工的な動力源無

しにただっ広い砂浜をガシャガシャと走り回ったり、歩いたり、

這いずり回ったりしている様をご覧になられた方も多いと思う。

私も数年前に、彼の作品が走っているのを映像で見て驚愕したクチで

ある。

「人工的な動力無し・廃材を利用した作品」ということで、彼の作品は

得てしてエコのメッセージがどーたらこーたら、地球環境に云々堪々……

とよく謂われがちだが、はっきり言ってそんなこたぁどうでもいいので

ある。彼の作品の本質とはかけ離れた一般評論に辟易とする。


見れば判るが、彼の創る巨大な恐竜・甲殻類・昆虫の骨組みみたいな

作品は、風力に因って生き物のように自走する。生命としての動力が

無いのにもかかわらず、創造主である彼の意志とは関係なく動く。

この点に全ての魅力が集約されているのではないか。


物理学とコンピュータでの解析によって創られた理論を、アナログな

手法で、気が遠くなるような時間をかけて丁寧にこつこつと組み上げ

作り込んでゆく。19年間、自分の理論に基づく生命体のような作品を

組み上げる。なるほど、面白いワケだ。頭が下がるというか、ヤられ

ちまったよって感じ。発想と視点が素晴らしい。


展覧会場で、私も作品を動かした(誰でも動かせる作品がある)のだが、

すごく軽量で小学生の女の子も楽しそうにガシャガシャやっていた。

動くときの音も良い。

写真のチラシの中央に写っているのが作品(判りづらいけど)で、実際

動くのを見ると思わず感嘆とどよめきに似た声が上がる。


Theo Jansen自身がこの世から消えてしまったとしても、彼の創った

アニマリス(ビーチアニマル)が動き続ける事が夢なのだそうだ。

作品カタログとDVD。買わなきゃしょうがないでしょ。


下北沢にて

TJチラシ.jpg

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このページは、press_4dmode1が2009年2月14日 22:40に書いたブログ記事です。

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