晩秋の考察

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仕事に忙殺されている間に11月の初旬を過ぎてしまった。

街行く女性達の装いも秋から冬へと本格化し始めた。

一言で言えば「寒く」なってきたのであるが、「寒い」のは何も

季節だけではない。不動産・動産の評価が下がり、企業がバタバタと

倒産し始め、お金が回らなくなって誰しも懐が「寒く」なって来た。

株価が下落していくということは、企業などが設備投資出来なくなって

経営が圧迫され、人件費を削ることによって企業体を生きながらえる

という手法を選択していく。ということはお金の余剰金が回らなくなり、

目に見えるところに資本を投下せず、見えないところにしかお金を

注ぎ込まなくなる。

派遣社員・パートタイマーで糧をえている人達は真っ先にその煽りを

受ける。バブルでもなんでもなくこの20年間ずっと不況感しか感じな

かった人って沢山いるはずだ。

小林多喜二の「蟹工船」が若いワーキングプアの支持を受けたり、

共産党員が激増しているなどというのはまさに経済の没落を感じさせる

アラームなんだろう。

ちなみに私が持っていた小林多喜二「蟹工船」の古本を、下北の

古書買い取り専門店に持って行くと10円で引き取ってくれた。

スタバでお茶も飲めない買い取り価格だが、それでも良心的だなぁ、と。


あと「寒い」のはこないだ逮捕された大物プロデューサーTKや、

金髪豚野郎と落語家の元夫を揶揄した、つまらない落語家の次女の

おばはんなどをバンバン映像で流し、番組に出演させたりしている

テレビメディア。特にTBSは酷い。

番組制作や経営陣が世の中を舐めているとしかいえないような、

団塊の世代の体臭が映像を通して臭ってくるようで、音を流さずに

映像を点けていたのだが、激務に疲弊した精神にはその下品極まりない

映像もついに必要なくなった。この国のマスコミは品格というか

礼儀作法がなっていない。見ていると自分が馬鹿になっていくのが

実感出来る。映像感染するウイルスのようなもの。

メディア・リティリング出来ない人達や子供にとっては、毒には

なってもクスリや知恵にはならないのではないか。

そんなことをふと考える晩秋。


下北沢にて

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このページは、press_4dmode1が2008年11月 8日 19:43に書いたブログ記事です。

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