天狗BEER
飲料用の水を買いにKALDIという輸入食料品店へ行った。
この店は基本的にはコーヒーの豆を挽き売りしているのがメインで
あるのだが、世界各地から集めたワインや香辛料、チーズ、お菓子、
冷蔵食品など、結構マニアな人にはたまらない、私の様な素人でも
ラベルやパッケージを見るだけで楽しめる店なのである。
丁度セール期間に入ったばかりで狭い店内にはレジ待ちの買い物客が
長蛇の列をなし、私が目当てにしている水を置いてあるところを経て
人が列んでいるので、仕方なく空のカゴを手に取り列に並んだ。
10分ほど列んでいてようやく水の置いてあるところまで辿り着き、
ペットボトルを3本カゴに放り込んだ。
そのまま、他に目当てもないのでぼけ〜っと列んだまま、ワインなど
を置いてあるところを眺めていると、あるモノが目についた。
「天狗ビール」である。
上の写真を見てもらえれば解るように、麦の穂を粋にくわえた天狗の
ラベルが目印で、下北沢の地ビールなのだそうだ。
といっても、下北沢にブルワリーがあるわけでなく、埼玉県に在る
小江戸ブルワリーという地ビールメーカーが造っている。2年ほど
前から下北界隈では噂になっているビールで、呑んでみるとしっかり
とした本格的なビール。麦の香りがほのかに漂い、ホップの苦みが
ビシッと決まる、職人気質の喉ごし。大手ビールメーカーが造るモノ
に較べてやや荒削りな力強い飲みごたえである。
ネットで調べればわかるが、このビールは曰く付きで、竹中直人氏主
演の「男はソレを我慢できない」という映画のプロモーションツール
として開発された記念品だったらしいのだが、人気に火がついて下北
界隈だけで期間限定販売されているらしい。
何故「天狗」とネーミングされているのか不思議に思う方も多いと思う。
実はこの界隈では、毎年節分の時期に行われる伝統行事「天狗祭り」
というものがあり、その祀られている「天狗」に由来するということ
らしい。面白いのは、映画に由来するモノといえば、宝石だったり、
ファッションだったり、お店だったりするのが多いのであるが、いかに
も地味にビールというのが下北らしい。
土地柄か、老若男女ウワバミが多いからなね、ここは。
下北沢にて