水滸伝
遂に読破してしまった。
昨年10月中旬から読み始めた北方謙三版「水滸伝」本編全19巻
+読本「替天行道」1巻、計20巻である。
子供の頃、横山光輝のマンガで読み、中学1年生の時にテレビドラマ
(主演が中村敦夫)で見て依頼の「水滸伝」。
北方謙三の作品を読んだことがなく、10巻以上ある小説を読んだことは
今までになかったので、書評の高評価を読んで半信半疑で1巻を手に取った
のであるが、不安は杞憂に終わった。北方謙三への見方も変わった。
そして抜群に面白かった!!
ハリウッド映画などの、ヨーロッパの魔法使いが出てくるような代物より、
もっとリアルで人間くさい
ところが良い。19巻の残り半分となったときには、読み終えるのが勿体なくて、
残念で、悲しくて、わざと一週間読まなかった程、ハマってしまった。
今、仕事終わった後の楽しみが何にも無くなってしまいました。
内容にチラッとだけ触れると、水滸伝といえば宋代の中国を舞台に108人の
英傑・豪傑・英雄が梁山泊に集い、悪政を強いる宋国を倒す……………という
のが原典ですが、北方版「水滸伝」はそんなありきたりなストーリーではなく、
オリジナルなプロットを入念に構築した人間の成長記或いは叙事詩といっても
過言でない。まさに豪筆の成せるワザである。
本など滅多に読み返さない私が、読み進むうちに何度も遡って読み返すという
ほど面白かった。
梁山泊108人どころか敵対する他の登場人物まで、どいつもこいつもカッコよく、
意志を持ち、味がある。そして派手に無様に人知れず死んでいく。
こんなの並の作家じゃ到底書けないね。
文庫本で一冊600円、20冊で12,000円と結構な金額になりますが、
私は遅読なので半年間じっくりと楽しめることを考えれば安いもの。
読まないと、たぶん損する。
激しくお薦めします。
下北沢にて