焼きパスタうどん
つい先ほどパスタを作るため、鍋で湯を沸かし、
友人からいただいたロンドン”ハーベイ・ニコルズ”の
オーガニックスパイスが混ぜ合わされたオレンジ色の
海塩を一掴み湯の中に降り注いでパスタを放り込んだ。
そこまではほぼ完璧な作業であったのだが、
不意にケータイが鳴った。
知り合いの若手デザイナーからのメールで、来月の呑み会の
お誘いであった。私の都合を優先してくれるというので、
手帳を繰り、カレンダーを見ながら都合の悪い日を拾い出し、
メールでのやりとりをしていた。
キッチンでカタコト音がするので見てみると、
鍋の中に焦げ目の付いたうどんが出来ていたのである。
水分を全て吸い込んだパスタの成れの果てだ。
「うわ!やっちまったよ〜。」と心の中で叫びながら、
皿にうどんのようなパスタを移し、焦げて鍋に張り付いた
麺をヘラで削り落とす。
もうガックリですよ。
仕方ないのでそれにボンゴレソースをかけて食することに
した。
しかし、これが意外にイケる。
焦げた香りと味が微妙に気に入ってしまった。
やけくそで言ってるんじゃないよ。
でもまぁ、そうでも思わないと喰えないけどね。
一度誰かにご馳走してあげたいもんです。
下北沢にて