銀杏並木。影と一杯。

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昨晩、中野のplanBまで

坂本宰の影 & すずえり 「Dialogue」

を見に行ってきました。

地理的にどの辺りなのか把握しようと、大きな地図を拡げてみると、

なんと、東北沢から一本道。中野通りを真っ直ぐ北へ3.5Km程行くと

辿り着けることに気がつきました。

下北から三軒茶屋まで幾度となく歩いている私としては、街を体感するのに

丁度良い距離ではないか!

わざわざ新宿まで出て、丸ノ内線に乗るよりも、ちょっと早めに出て、

散歩がてらに行ける、ということで、下北から7〜8分で東北沢の駅近くに到着。

バスに乗るって手もあったんですが、そこはそれ、i-Pod旧式を装着し、小西氏の

歌声とハミングでハモりながらてくてくと一本道を北へ北へ…。


中野通りを歩く人通りは日曜日の夕刻とあって非常に少なく、道路沿いに立ち並ぶ

銀杏並木の落葉が歩道沿いにどっさりと貯まって、初冬のうらびれた街並みが

なかなか良い感じでした。

地図が南北逆だと気付くまで少し道に迷いましたが、開演予定時刻の3分前に

何とか到着。

待合室で他のお客さんと待っていると、そこへ岩下氏も現れ、

煙草を楽しみながら雑談していると、開演ですと案内が。



白い布で仕切られたステージに向かい、着席してすぐに会場は真っ暗。

全く光のない漆黒の闇の中へ。

不意に眼前を光が走り、水が流れる音が微かに聞こえ始める。

不規則に且つ鮮烈に光が走り、駆け抜け、闇の中に光の残像が残っていく。

紡がれる音と同期し、あるいは即興的演奏に乗って。

やがてランタンに炎が点火し、"坂本宰の影"が登場する。

ループする音のリフ。

レコーダーから出されたような、すずえりの粗くノイズ混じりの

ざらついた音のループ。

それに抗うかのように、"坂本宰の影"はゆらめき、広がり、舞い、

そして消える。

朧に、また鮮明に。

言葉はけっして発せられることなく、しかし、言葉で感じる以上の何かが

シンクロしてくる。

それは光と、"坂本宰の影"のわずかな隙間から滲み出してくる"思念"のような

ものかもしれない。


ステージ終了後、有志からの差し入れによる打ち上げ。

坂本宰氏、すずえり氏、岩下氏とワインやビールをやりつつ歓談しながら、

"坂本宰の影"と一杯やろうと待っていたのであるが、いつまで経っても現れない。

彼はどうやら夜のとばりへ消えていったようである。

仕方ないので銀杏並木の落葉を掻き分けながら、もと来た道を南へ南へ帰路につく。


下北沢にて

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このページは、press_4dmode1が2007年12月10日 22:16に書いたブログ記事です。

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