さて、どれでしょう?

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GWも終わり、また、いつもの日常が戻ってきたワケですが、

この時期になると、春先に較べて朝の電車は幾分人が減る。

減るといっても超過密電車に変わりないのですが、社会へ

飛び出した新人が研修を済ませて地方へ配属され、胸一杯の

夢と希望を抱いて上京してきた学生達が学校へ出て来なくなる…。

つまるところ、それによって超異常過密電車から超過密電車へと

環境が変わるんですね。


そんな今日、夕刻仕事を終えて目黒から渋谷へ向かう電車へ乗ったの

だが、恵比寿駅の手前で急ブレーキ!

車内は危うく将棋倒しになりかけ、女性の悲鳴が木霊し、おっさんの

異臭が車内に飛散する。

何事!と、私はi-Pod(旧式)のイヤホンを耳からはずし、車内放送に

耳をそばだてる。と…

「線路に人が入り込み、急ブレーキを致しました。お客様にはご迷惑を

おかけします。現在立ち入った人の確認をしております。」だと。

普通なら5分ほどで渋谷に着くのが、20〜25分も要したのである。

いたずらなのか、流行りの自殺志願者なのか、推察するのも腹立たしいが、

前者ならば有罪禁固5年執行猶予無しで与えたい。

後者ならば他者に迷惑のかからない方法手管を考慮すべきである。

富士の樹海や風穴などで誰にも迷惑かけずひっそりと始末してほしい。

流行りの硫化水素などもっての他である。


何故そういった辛辣なことを言うかと想われる筋もあると思うので

説明しておきたい。

今日の例でいうなら、私の居た車両にはどう少なく見積もっても

200〜250人の乗客がおり、8両編成だとすると1600〜2000人の

人間が乗り合わせていることになる。

その大半は私の様に仕事を終え、そこそこ元気な人物だとは思うが、

中には、大きな商談のため時間に会わせて乗った人、仕事における

クレームの処理に向かう人、家族の不意な予期せぬ悪報に急いでる人、

人生の伴侶とすべく、その相手に気持ちを伝えるため待ち合わせている

人、病院へ通院している人、夜間学校の出席に向かう学生、妊婦、子供…

その他諸事情を抱えた多くの人がたまたま乗り合わせているのである。

そういった人達の大切で貴重な、そして重要な時間を、いたずらや

身勝手な行為で妨げるなど言語道断以外の何ものでもない。

ホント止めてほしいですね。


そんな日に限ってというか、笑い話として出来すぎなんやけど…

「あ〜しんど!」って感じで、超異常過密電車から降車し、超異常過密

改札を抜け、超異常過密コンコースを渡って井の頭線に乗車した。

乗客を吐いて間もない電車だったので座ることは出来ないが吊革に掴まる

余裕は充分にあったという状況の中、少し小太りの若い男性が私と目が

合った途端、待ってましたと座していた腰をにわかに持ち上げ、私に真摯

な目をして何か言い始めた?

「?」ですわ。

私は再びi-Pod(旧式)のイヤホンをはずして「はい?」と疑問符を投げると、

小太り若者「席替わりましょう」

下北の住人「え?何で?」

小太り若者「ご遠慮なさらずに」

下北の住人「え?俺と?いや、別にええよ」

小太り若者「大丈夫です。席替わりましょう」

下北の住人「??????え〜と…そう?」

小太り若者(曇りのない達成感ありありな瞳で少し頷く)

下北の住人「(首をかしげながら何か納得できず)…ありがとう…」


私が座った両隣には若い女性が座っており、明らかにそのやりとりを

見ていて呆気にとられ、私が座した時にはくすくすと笑っていたのである。

私は下北に電車が到着するまで、その巨体に纏った夏物の薄手スーツを

くしゃくしゃにしながら揉まれている小太り若者を見ながら考えた。

何故彼は席を替わったのか?


1)私が席を替わらねばならないほどの老人に見えた。

2)両隣の女性の化粧品のニオイが耐えられなかった。

3)ダイエットのため、やはり立とうと思った。

4)一日一善を座右の銘にしているので強引に譲る相手を探していた。


さて、どれでしょう?


下北沢にて

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このページは、press_4dmode1が2008年5月 7日 23:53に書いたブログ記事です。

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